
運動不足を解消したいけれど、何をすればいいのかわからない・・・。
このように感じている方、少なくないかと思います。
実際に、現代社会において、私たちの生活はますます便利になり、同時に体を動かす機会が減少しています。
電車や車での移動、デスクワーク中心の仕事、そしてスマートフォンやパソコンを長時間使用する日常。
便利さの裏側で、私たちの体は「運動不足」という大きな課題に直面しています。
「階段を上がるだけで息切れする」「以前より疲れやすくなった」といった自覚がある方も少なくないでしょう。
運動不足は健康を脅かすだけでなく、メンタル面や生活習慣、社会的な活動力にも影響を与えます。

ただ、運動不足だからといって、いきなり、ジムに通うのは、少しハードルが高いなあ・・・。
特に、運動初心者の場合は、このように思う方は、多いでしょう。
初心者が運動不足を解消するには、具体的にどんな運動から始めればよいのでしょうか。詳細に解説していきます。
いきなりジムやヨガスタジオに通うのが難しいという、初心者の方は、まずは、自分だけで取り組める運動を行ってみるのがおすすめです。
この記事を見て、ぜひ、運動習慣を身につけましょう。
運動不足がもたらすリスク

まずは、運動不足がもたらすリスクから見ていきましょう。
- 身体面への影響
- 精神面への影響
- 社会生活への影響
という3つの側面から、それぞれ、簡潔に解説いたします。
※「運動不足のリスクは、知っている!運動について知りたいのだ!」という方は、こちらをおすと、スキップできます。
身体面への影響
運動不足が続くと、まず表れるのは身体的な不調です。
筋肉量が減少し、基礎代謝が低下することで、エネルギー消費が減り、太りやすい体質になります。
脂肪が内臓の周囲につきやすくなり、いわゆる「内臓脂肪型肥満」に直結します。
これは生活習慣病のリスク因子であり、高血圧や糖尿病、脂質異常症などを引き起こす可能性が高まります。
さらに、筋肉や骨が弱くなることで、姿勢の悪化や腰痛、肩こりといった慢性的な痛みも発生しやすくなります。
若い世代であっても、長時間座りっぱなしの生活を続けることで、将来的に骨粗鬆症のリスクが高まることがわかっています。

体の健康のためには運動は不可欠です!
精神面への影響
運動不足は心の健康にも影響を与えます。
人間は体を動かすことでセロトニンやエンドルフィンといった神経伝達物質を分泌し、ストレスが軽減され、気分が安定する仕組みを持っています。
しかし、運動不足が続くとこれらの分泌が減少し、気分が落ち込みやすくなったり、ストレスに対する耐性が低下したりします。
さらに、睡眠の質が低下し、日中の集中力や記憶力にも影響を及ぼします。
メンタルの不調は体調不良とも結びつくため、負の連鎖に陥りやすくなるのです。

心の健康のためにも運動は不可欠です!!
社会生活への影響
身体面・精神面の不調は、社会生活にも波及します。
個人の影響としては、
- 疲れやすさから仕事のパフォーマンスが低下し、集中力が続かなくなる
- 外出がおっくうになり、人間関係や趣味活動に消極的になる
といったことを引き起こす可能性があります。
さらに、社会全体としては、医療費の増大という経済的負担にもつながります。
つまり、運動不足は単なる個人の健康問題にとどまらず、社会的な生活全体に悪影響を与えるのです。
このように、運動不足は、様々なリスクをもたらします。そのため、年代問わず、誰もが運動習慣を身に着けることが大切です。
しかし、運動を新たに始めようとしても、何をすればよいのか、どうすればよいのか、わからないという人も少なくないでしょう。
そこで、ここからは、運動初心者の方が運動を始めるときのポイントについて説明していきます。
初心者が運動を始めるときのポイント

ここからは、運動をこれまであまりしてこなかった初心者の方が、運動を始めるにあたってのポイントを3点解説します。
運動は継続することが重要です。無理なく、楽しみながら、運動を続けましょう。
目標設定をしよう
運動を始めるとき、最初に意識したいのは「目標設定」です。大切なのは「小さく、現実的な目標」を設定することです。
現状をしっかりと把握したうえで、無理のない範囲で目標設定をしてください。
初心者がいきなり「毎日1時間走る」といった高い目標を掲げると、挫折する確率が高まります。
以下、具体的な目標設定について、示しますので、参考にしてください。
SMARTの法則を活用して目標設定
目標について「何を、どれくらい、どんな形でやるか」が曖昧だと三日坊主で終わってしまいます。そこで有効なのがSMARTの法則です。
SMARTの法則とは、目標を立てる際に意識するとよい5つの要素のことです(下記の表の通りです)。
これは世界中のビジネス現場などで広く使われている「達成しやすい目標設定」の考え方です。初心者の方でもすぐに活用できます。
SMARTの法則を意識して、目標を立ててみてください。
内容 | 内容の例 | |
---|---|---|
S(Specific:具体的) | 誰が見ても分かるように明確な目標を設定する | 「毎日30分ウォーキングする」 |
M(Measurable:測定可能) | 数字や回数で進捗を把握できるようにする | 「1日8000歩を目指す」 |
A(Achievable:達成可能) | 現状の体力や生活習慣に照らして無理のない設定にする | 「まずは週3回から始める」 |
R(Relevant:関連性) | 自分の目的(健康改善・減量・ストレス解消など)に合った目標を設定する | 「仕事の疲れを減らすために軽い運動を取り入れる」 |
T(Time-bound:期限を設定) | 達成時期や見直すタイミングを決める | 「1か月後に5回以上運動を継続できたかチェックする」 |
目標設定を設定したら、実践、そして、振り返りも忘れずに行うようにしましょう。
運動習慣を身に着ける
運動は継続することが大切です。三日坊主になってしまうと、運動の効果は、残念ながら、享受できません。
そのために、運動習慣を身に着けることが重要になってきます。
運動習慣を身につけるには、生活の一部に自然に取り入れることがポイントとなります。
例えば、、、
- 朝起きたら必ずストレッチをする
- 通勤時に一駅分歩く
- 歯磨きの後にスクワットを10回する
など、習慣化しやすい工夫をすると続けやすくなります。
さらに、アプリや手帳に運動記録をつけると、自分の努力が可視化され、達成感を得やすくなります。
無理はしないように
初心者にありがちなのは、最初から飛ばしすぎて疲れてしまい、続けられなくなることです。
そうならないように、決して無理はしないでください。楽しみながら行うことが大切です。
また、下記のチェックポイントを意識すると、無理なく、運動を続けられますので、参考にしてください。
- ハードルを下げる
- 1日5分だけ歩く、1回だけスクワットをするなど、達成できる小さな行動から始める。
- 前述の目標設定についても、最初は、無理のない目標で問題ない。
- 運動を細切れにする
- 30分連続で運動できないときは、10分×3回に分けてもOK。
- 通勤・通学の一部を歩く、エレベーターの代わりに階段を使うなども立派な運動である。
- 完璧を求めない
- 「毎日必ず!」ではなく「週に2〜3回できれば十分」と考える。
- サボった日があっても、翌日から再開すれば問題ない。

もちろん、疲労が強い日や体調がすぐれない日は休む勇気も必要です。1日、2日休んだからといって効果がなくなるわけではないので、ご安心ください。
初心者におすすめの運動6選

それでは、ここからは、記事タイトル「運動不足の解消には何から始めればいい?何をすればいい?」という題について回答していきましょう。
下記の通り、6つのおすすめの運動がありますので、まずは、そこから実践してみてください。
- ラジオ体操
- ストレッチ
- 筋トレ(自重トレーニング)
- 家事を運動に
- ウォーキング【屋外】
- 自転車【屋外】
なお、運動不足の方の中には、ジムやヨガ・ピラティススタジオに通いたいという人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、運動初心者の方は、まず、「自宅や日常生活での運動」から始め、物足りなくなったらジムやスタジオを検討すれば十分です。
初心者の方が、いきなりジムやスタジオに通うことは、コスト面や継続性という観点からリスクがあります。運動にある程度慣れてからで問題ありません
それでは、おすすめの運動6選について、見ていきます。
ラジオ体操

ほとんどの日本人が知っているラジオ体操。ラジオ体操をは、全身約400の随意筋全てを刺激することができる、効率的な体操です。
運動不足の方は、まずは、毎日、ラジオ体操をしてみることをおすすめします。
ラジオ体操は大したことがないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、運動不足の方にとっては、意外と大変な体操です。
地域の公園や広場(ラジオ体操会)でも家庭でも気軽に実施することができます。
ちなみに、当記事執筆者は、1級ラジオ体操指導士の資格を持っていたり、地域におけるラジオ体操の普及・推進に貢献したことから「ラジオ体操優良団体等表彰」を受賞したりしております。
ラジオ体操の効果は、身に染みて感じておりますので、ぜひ、皆さまも、実践していただけたらと思います。
ストレッチ

動的ストレッチであるラジオ体操が大変だという方は、弾みをつけずに行うストレッチ(静的ストレッチ)でも問題ありません。
運動不足の人は筋肉が硬くなっていることが多く、ストレッチだけでも十分に効果があります。
特に、入浴後は体がほぐれやすく、ストレッチに適したタイミングです。
肩回しや太ももの裏のストレッチ、体側を伸ばすなど簡単なものから始めましょう。
デスクワークの合間にも、首や肩を回すだけで血流が改善され、リフレッシュできます。

隙間時間があれば、ストレッチを行う習慣をつくることをおすすめします。
筋トレ(自重トレーニング)

筋肉をつけたい方には、自重トレーニングがおすすめです。
自重とレーニングとは、ダンベルなどの器具は使わずに、自分の体重を負荷にして行う筋力トレーニングのことです。
腹筋、スクワット、腕立て伏せなど、特別な器具は必要ありません。
最初は1回10回程度から始め、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。
筋肉を鍛えることで基礎代謝が上がり、太りにくい体質になります。
さらに、筋トレは姿勢改善にも効果があります。
筋肉痛や疲労を感じる場合は、十分な休息をとるようにしましょう。
家事を運動に

日常の家事そのものを運動に変えることも可能です。
ポイントは「家事の動きに意識して筋肉を使う」「少し負荷を加えて全身を動かす」ことです。
具体的には、
- 料理をしながらつま先立ちを繰り返すことでふくらはぎを刺激する
- 通常より腰を落としてスクワットの姿勢を取りながら、掃除機をかける
- 荷物を持つときに姿勢を意識してスクワット気味に持ち上げる。
などの方法があります。
家事を意識的に運動に変えるだけで、初心者でも無理なく運動不足を解消できます。
日常生活をそのまま活かすため、継続しやすく、自然と体が引き締まる効果も期待できます。
ウォーキング【屋外】

ウォーキングは最も取り入れやすい運動です。ただし、主に、屋外で行う運動となります。
特別な器具は必要なく、歩きやすい靴さえあれば誰でも始められます。
ポイントは「少し息が弾む程度の速さ」で歩くこと。1日20〜30分を目安に、無理のない範囲で取り組みましょう。
通勤の一部を徒歩に変える、昼休みに少し散歩するなど、日常生活に組み込みやすいのも魅力です。

屋外に行きたくないという方は、テレビを見ながらその場で足踏みをするといった、ステップ運動や室内ウォーキングで対応しましょう。
自転車【屋外】

自転車は、初心者でも取り入れやすく、日常生活の中で自然に運動量を増やせる方法です。ただし、こちらは、屋外でしかできない運動です。
有酸素運動として心肺機能を高め、脂肪燃焼にも効果があります。
また、ペダルをこぐ動作で太ももやお尻、ふくらはぎの筋肉も鍛えられるため、下半身の筋力アップにもつながります。
まずは安全で楽しく走れるルートで、少しずつ距離や時間を増やしていくことがポイントです。
モチベーションを保つ工夫

運動を継続する上で最も大きな課題は、モチベーションを維持することです。
モチベーションを保つためには「楽しさを感じる」「達成感を得る」「環境を工夫する」の3つを意識することがポイントです。
具体的には、下記のようになります。箇条書きで、簡単にまとめてみました。
- 音楽や動画の活用
- 好きな音楽を流すことでテンションが上がり、運動が苦になりにくくなります。
- フィットネス動画やオンラインレッスンを取り入れると、動作の正確性も確認でき、飽きにくい。
- 仲間やコミュニティとの連携
- 家族や友人と一緒に運動することで、楽しさと責任感が増します。
- オンラインでの運動チャレンジやSNSでの進捗共有もモチベーション維持に有効。
- 小さなご褒美の設定
- 運動を達成した日に自分に小さな報酬(おやつ、入浴、好きな動画視聴など)を与える。
- 長期目標には少し大きめのご褒美(新しい運動ウェア、スポーツグッズ)を設定すると達成意欲が高まる。
- 進捗の可視化
- 運動日記やアプリで記録し、達成状況をグラフやカレンダーで確認。
- 小さな達成が目に見えることで「できている」という実感を得やすくなる。
- 楽しい運動を選ぶ
- 自分が好きな運動を選ぶことで自然と継続できる。
- 例:ダンス、サイクリング、ウォーキング、ヨガ、ゲーム感覚のエクササイズなど。
- 目標を分けて設定する
- 大きな目標だけでなく、週単位や日単位の小目標を設ける。
- 小さな目標の達成が積み重なることで、自己効力感が高まり、長期的なモチベーション維持につながる。
- 環境を整える
- 運動しやすい場所を確保したり、ウェアやマットなどを準備しておくことで、面倒さを減らせる。
- 運動を始めるハードルが下がると、続けやすくなる。
運動不足を解消するメリット

それでは、最後に、運動不足解消のメリットを、
- 健康の維持・増進
- メンタルの改善
- 見た目や自信への効果
の3つの側面にわけて説明していきます。
健康の維持・増進
運動を習慣的に行うことで得られる健康効果は非常に多岐にわたります。
まず、筋肉量が増えることで基礎代謝が向上し、脂肪が燃えやすい体質になります。
血流も改善され、冷え性や肩こりが緩和されるほか、心肺機能が向上し、持久力が増します。
これにより日常の動作が軽快になり、疲れにくい体を作ることができます。
メンタルの改善
運動は心にも良い影響を与えます。
ランニングやウォーキングの後に感じる爽快感は、エンドルフィン分泌による「ランナーズハイ」として知られています。
また、適度な運動によってセロトニンの分泌が促され、気分が安定しやすくなります。
ストレス解消や睡眠の質の向上も期待でき、結果として日常生活の質が向上するのです。
見た目や自信への効果
運動を続けると姿勢が改善され、体型も引き締まっていきます。
鏡に映る自分の変化に気づくと、自信がつき、自己肯定感が高まります。
「やればできる」という実感が得られることで、他の分野でも積極性が増し、良い循環が生まれます。
まとめ
運動不足を解消する第一歩は、決して大きな挑戦ではありません。
毎日の生活に少しずつ運動を取り入れることで、体と心の両方にポジティブな変化が訪れます。
ウォーキングやラジオ体操といった手軽な運動から始めて、無理なく継続していくことが何より大切です。
運動は健康の基盤を支えるだけでなく、自己肯定感や日々の充実感をも高めてくれます。
忙しい現代社会だからこそ、意識して体を動かす時間を確保することが求められています。
今日から、ぜひ、「運動不足解消」の一歩を踏み出してみてください。
未来の健康は、あなたの小さな行動から始まります。
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