外食は、忙しい現代社会において欠かせない食生活の一部です。
仕事帰りの食事、友人との食事、ランチタイムなど、日常的に外食に頼っているという人も少なくないでしょう。
一方で、外食について
- 外食は塩分が多い
- 健康に悪い
- 減塩したい人には向かない
というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。確かに、そうしたイメージには、一理あります。
特に、高血圧や生活習慣病の予防、健康維持などを目的として減塩を意識している人にとって、外食は悩みの種になりがちです。
しかし、外食だからといって必ずしも塩分を摂りすぎてしまうわけではありません。
メニューの選び方や食べ方を少し工夫するだけで、塩分摂取量は大きく変わります。
完璧な減塩を目指すのではなくて、「今より少し減らす」意識を持つだけでも、体への負担は確実に軽くなります。
人付き合いや多忙な生活により、どうしても外食をせざるを得ない減塩生活者の方は、当記事を参考にしてください。
日本人は塩分を摂りすぎている?

日本人は世界的に見ても塩分摂取量が多いとされています。味噌、醤油、漬物、だし文化など、伝統的な食文化がある一方で、無意識のうちに塩分を過剰摂取しているケースが非常に多いのが現状です。
厚生労働省が推奨する1日の食塩摂取目標量は、
- 男性:7.5g未満
- 女性:6.5g未満
とされていますが、実際には多くの人がこの基準を上回っています。
外食を頻繁に利用する人ほど、その傾向は強まるといってよいでしょう。
当記事をご覧いただいている方はご存じの方も多いと思いますが、塩分を摂りすぎると、次のような健康リスクが高まります。
- 高血圧
- 動脈硬化
- 心疾患・脳卒中
- むくみ
- 腎臓への負担
これらは短期間で自覚症状が出にくいため、気づいたときには進行していることも少なくありません。
上記のような健康リスクを減らすために、過剰に塩分を摂取している方にとっては、減塩が重要といえます。
なぜ外食は塩分が多くなりやすいのか

外食で減塩を意識するうえで、まず理解しておきたいのが「そもそも、なぜ外食は塩分が多くなりやすいのか」という点です。
この背景を知っておくことで、単に「外食は体に悪い」と避けるのではなく、どこに注意すれば塩分を抑えられるのかが明確になります。
その理由は、大きく、下記の6点となります。
- 誰が食べても「おいしい」と感じる味が求められる
- 冷めても味がぼやけないようにする必要がある
- 加工食品・業務用食材が多く使われている
- 食欲を刺激し、満足感を高める役割がある
- 消費者側が「濃い味」に慣れている
- 味付けの変更が難しい
詳しく見ていきます。
誰が食べても「おいしい」と感じる味が求められる
外食産業では、年齢や性別、体調、食習慣が異なる多くの人に対して、安定して「おいしい」と感じてもらえる味を提供する必要があります。
そのため、味付けはどうしてもやや濃いめに設定されがちです。
人の味覚には個人差がありますが、塩味は
- 弱すぎると「物足りない」
- 強めだと「おいしい」と感じやすい
という特徴があります。
特に外食では、「薄すぎてクレームになる」リスクを避けるために、塩分をやや多めに使うケースが少なくありません。
冷めても味がぼやけないようにする必要がある
外食においては、他人とおしゃべりをするようなこともあるため、配膳後に少し時間が経ってから、食べ始めるということは少なくないでしょう。
また、場合によっては、調理してから提供されるまでに時間がかかることがあります。
そのため、料理はどうしても冷めてしまいます。
実は、料理は冷めると味を感じにくくなります。
特に塩味やうま味は、温度が下がることで弱く感じられるため、あらかじめ濃い味付けにしておく必要があるのです。
この「冷めてもおいしい味」を実現するために、結果として塩分が増えやすくなります。
加工食品・業務用食材が多く使われている
外食では、調理効率やコスト、味の安定性を考慮して、下記のような、業務用の加工食品が多く使われています。
- ハム・ベーコン
- ソーセージ
- 練り物
- 漬け込み済みの肉・魚
- 下処理済みの冷凍食品 など
これらは保存性や味の安定を保つため、あらかじめ塩分が含まれていることがほとんどです。
その上でさらに調味料が加わるため、結果として塩分量が多くなりやすくなります。
食欲を刺激し、満足感を高める
塩分には、食欲を刺激し、満足感を高める効果があります。
外食では「また来たい」「おいしかった」という印象を持ってもらうことが重要なため、ある程度の塩分は必要不可欠ともいえます。
特に、
- ごはんが進む味付け
- お酒に合う味
は、自然と塩分が高くなりがちです。
外食で「つい食べすぎてしまう」のも、塩分が関係している場合があります。
消費者側が「濃い味」に慣れている
外食の塩分量が多くなる背景には、私たち消費者側の味覚の変化もあります。
濃い味に慣れてしまうと、薄味を「味がしない」と感じてしまいがちです。
その結果、外食産業側も「薄味=売れにくい」という判断をせざるを得ず、濃い味の食事を提供することになってしまいます。
これは個人の問題ではなく、社会全体の食習慣の影響と言えるでしょう。
味付けの変更が難しい
外食では、注文後すぐに提供できるよう、あらかじめ味付けが決まっている料理がほとんどです。
そのため、
- 「薄味でお願いします」というオーダーが通らない
- 調味料を抜けない
といったケースも多く、減塩の選択肢が限られることが、塩分過多につながります。
家庭料理と違い、味付けをコントロールできない点は、外食で塩分が増えやすい理由の一つとなります。
外食で減塩を成功させる基本的な考え方

減塩をしたいというようであれば、最もよいのは、外食に行かないという選択肢です。
(当記事執筆者も減塩生活者で、外食に行くことは基本的にありませんが、人付き合いでどうしても行かねばならないことはあります・・・)
しかし、一方で、減塩をしたいけれど、どうしても外食に行かざるを得ないという方もいらっしゃることでしょう。
そうしたときに重要な考え方は、下記の2点となります。
- 完璧主義を捨てる
- 1食ではなく「1日・1週間」で考える
外食に行くということは、どうしても、多少の塩分摂取は覚悟せねばなりません。
可能な範囲で、減塩を実現できるようにしましょう。上記2点の考え方について、詳細に述べていきます。
完璧主義を捨てる
外食で減塩を意識し始めると、「できるだけ塩分を摂らないようにしなければ」「外食では完全に減塩しないと意味がない」と、つい完璧を求めてしまいがちです。
しかし、外食で「完全な減塩」を目指すことは現実的ではなく、かえって負担になる場合も少なくありません。
実際に、完璧主義に陥ると、
- 食べられるメニューが極端に限られてしまう
- 外食そのものがストレスになる
- 結果的に減塩をやめてしまう
といったことにつながってしまいます。
減塩は短期間で結果を出すものではなく、長く続けてこそ意味がある習慣です。
そのため、外食では「完璧に減らす」よりも、「今より少しでも塩分を減らす」という意識を持つことが大切です。
スープを少し残す、タレを控えめにするなど、小さな選択の積み重ねでも、塩分摂取量は確実に変わっていきます。
1食ではなく「1日・1週間」で考える
外食で減塩を続けるためには、1食ごとの塩分量に一喜一憂しないことも重要です。
ランチでどうしても塩分が多くなってしまった場合でも、「今日はもうダメだ」と考える必要はありません。
例えば、
- ランチが外食で塩分多めだった日は、夕食を薄味にする
- 外食が続いた週は、休日に自炊で調整する
といったように、1日単位、もしくは、1週間単位程度で、バランスを取る意識を持つことが、減塩を無理なく継続するコツです。
減塩は我慢や制限の連続ではなく、全体を見ながら調整していくことが大切です。
外食を楽しむ日があっても問題ありませんが、同時に、長期的な視点で塩分量をコントロールすることを意識するようにしましょう。
心身の負担を減らし、結果的に健康的な食生活につながります。
外食で減塩をする具体的なコツ【実践編】

外食で減塩を意識する際に重要なのは、特別な知識や強い意志を必要とする方法ではなく、誰でもすぐに実践できる小さな工夫を積み重ねることです。
ここでは、外食の場面で意識したい具体的な減塩テクニックを、下記の通り4点、紹介します。
- スープ・汁物は「全部飲まない」を基本にする
- タレ・ソース・ドレッシングは量を意識する
- 調理法に注目してメニューを選ぶ
- 漬物や小鉢は無理に食べ切らない
それぞれ、見ていきます。
スープ・汁物は「全部飲まない」を基本にする
ラーメン・うどん・そばなど、外食におけるスープや汁物は、塩分が最も集中しやすい部分です。
具材自体は比較的塩分が少なくても、スープをすべて飲むことで一気に塩分摂取量が増えてしまいます。
そのため、スープは「味を楽しむ程度」にとどめ、すべて飲み切らないことを基本にしましょう。
半分以上残すだけでも、塩分量は大きく変わります。
無理に我慢するのではなく、自然に箸を止める意識が大切です。
スープを飲まないと約2〜4g以上の塩分摂取量削減につながります。
タレ・ソース・ドレッシングは量を意識する
外食では、タレやソース、ドレッシングが料理にたっぷりとかけられていることが多く、知らないうちに塩分を摂りすぎてしまいます。
可能であれば、別添えにしてもらう、あるいはかける量を自分で調整することを意識しましょう。
すべて使い切らなくても問題はありません。半分程度に抑えるだけでも、減塩効果は十分に期待できます。
特にサラダにおいては健康的な印象が強い分、ドレッシングの使いすぎには注意が必要です。
調理法に注目してメニューを選ぶ
同じ食材でも、調理法によって塩分量は大きく変わります。
外食で減塩を意識する場合は、
- 焼く
- 蒸す
- 茹でる
といった素材の味を生かした調理法を選ぶのがおすすめです。
反対に、煮込み料理や濃い味付けの炒め物、揚げ物は、塩分が多くなりやすいため、頻度を控える意識を持つとよいでしょう。
※具体的なメニューの選び方については、後ほど、詳述します。
漬物や小鉢は無理に食べ切らない
定食に添えられている漬物や佃煮、小鉢類は、少量でも塩分が高めなことがあります。
体調やその日の食事内容に応じて、食べる量を調整することが大切です。

食品ロスの観点から残すことに抵抗があるという方も多いと思います。こうした場合は、減塩をしていない人に食べてもらうようにしましょう。
ジャンル別・外食でおすすめの減塩メニュー

外食で減塩を実践するうえで重要なのは、「どのジャンルで、どのメニューを選ぶか」を知っておくことです。
外食はジャンルによって味付けの特徴や塩分の傾向が大きく異なるため、それぞれの特性を理解しておくことで、無理なく減塩につなげることができます。
ここでは、
- 和食
- 洋食
- 中華
- ファストフード
という代表的な外食ジャンルごとに、減塩しやすいメニューと選び方のポイントを解説します。
大手外食チェーンのメニュー表やウェブサイトには、各メニューの塩分量が記載されていることが多いです。
メニューを選ぶ際は、メニュー表やウェブサイトを参照することをおすすめします。
一方で、中小の飲食店では、各メニューの塩分量が記載されていないことがほとんどです。
そんなときは、ぜひ、これから述べることを参考にしていただけますと幸甚です。
和食|選び方次第で減塩しやすいが「調味料」に注意
和食は「ヘルシー」「体にやさしい」というイメージを持たれやすいジャンルですが、実際には醤油・味噌・食塩などによる塩分が多くなりやすいという特徴があります。
そのため、和食は減塩になるとは、言えません。
和食でおすすめの減塩メニュー
- 焼き魚定食(醤油はかけない)
- 冷ややっこ(醤油はほんの少し、もしくはかけない)
- ざるそば・ざるうどん(つゆはつけすぎない)
- 湯豆腐
これらのメニューは、自分で調味料の量を調整しやすい点が大きなメリットです。
特にざるそば・ざるうどんは、つゆを半分以下に抑えるだけでも塩分摂取量を大きく減らすことができます。
和食で注意したいメニュー
- 煮魚、味噌煮
- 丼もの(親子丼、天丼など)
- 味噌汁や漬物を含む定食
和食では「主菜+汁物+漬物」という組み合わせになりやすいため、どうしても塩分摂取量が多くなりがちです。注意してください。
洋食|ソースの量が塩分量を左右する
洋食は、料理そのものよりもソースやドレッシングの使い方によって塩分量が大きく変わるジャンルです。
素材自体はシンプルでも、仕上げのソースで一気に塩分が増えることがあります。
洋食でおすすめの減塩メニュー
- グリルチキン・グリルポーク
- ハンバーグ(ソース少なめ)
- オムレツ・スクランブルエッグ
- サラダ(ドレッシング別添え)
- ローストビーフ(ソース控えめ)
これらは、ソースの量を自分でコントロールできれば減塩しやすいメニューです。
特にランチプレートなどでは、最初からソースを全体にかけず、少しずつ付けて食べる意識を持つとよいでしょう。
洋食で注意したいメニュー
- クリーム系パスタ
- チーズたっぷりの料理
- ベーコン・ソーセージが中心のメニュー
乳製品や加工肉を多く使う料理は、味が濃くなくても塩分が高くなりやすいため注意が必要です。
中華料理|全体的に味が濃いため「品選び」が重要
中華料理は、外食ジャンルの中でも、特に塩分が高くなりやすい傾向があります。
鶏ガラスープ、オイスターソース、醤油など、複数の調味料が使われるためです。
中華でおすすめの減塩メニュー
- 蒸し鶏
- 野菜中心の炒め物
- 春巻き
- 卵スープ(少量)
これらは、比較的味付けがシンプルで、中華料理の中では、比較的、塩分を抑えやすいメニューです(それでも、他の料理と比べると、相対的に、塩分量が多いことは否めません)。
複数人での食事の場合は、濃い料理と薄めの料理を組み合わせてシェアするのも有効な方法です。
中華で注意したいメニュー
- ラーメン
- 麻婆豆腐
- 回鍋肉、酢豚などの濃い味付け料理
中華では、スープやあんを残すだけでも、塩分摂取量を抑える効果があります。
ファストフード(+チェーン店)|情報を味方につけて減塩
ファストフードは「不健康」という印象を持たれがちですが、近年は栄養成分表示が充実しているという大きな利点があります。
塩分量を事前に確認できるため、選び方次第では減塩も可能です。
公開されている情報を味方につけて、減塩を実現しましょう。
ファストフードでの減塩ポイント
- セットではなく単品注文にする
- ポテトやスープを控える
- ソース・ケチャップを減らす
- 揚げ物ばかりにならないようにする
最近では、グリル系のメニューやサラダ、チキンなど、比較的、塩分が抑えられた選択肢も増えています。
まとめ

外食は塩分が多くなりやすいという印象がありますが、その理由や特徴を理解し、食べ方やメニュー選びを工夫することで、減塩を意識した外食は可能です。
外食で減塩を続けるために重要なのは、完璧を目指さないことです。
スープを残す、タレやソースを控えるといった小さな工夫でも、塩分摂取量は確実に変わります。
また、1食単位ではなく、1日や1週間といった長い視点でバランスを取る意識を持つことで、減塩は無理なく続けやすくなります。
和食・洋食・中華・ファストフードなど、外食のジャンルごとの特徴を知っておくことも重要です。
同じ外食でも、選び方次第で塩分量は大きく異なります。
知識を身につけることで、外食は「不健康なもの」ではなく、「調整できる食事」へと変わります。
減塩は我慢ではなく、日々の選択の積み重ねです。外食を楽しみながら、少しだけ意識を変えることで、健康的な食生活は無理なく実現できます。
今日の外食から、できることを一つ取り入れてみましょう。
スポンサーリンク
