スポーツ・運動

学校の水泳の授業はいらない?水泳授業のメリットとは?近年は廃止の動きも

水泳授業のメリットを考える

夏になるになるについれて、多くの学校で行われる水泳の授業

しかし、最近では、

水泳の授業はいらないのでは?

といった声も聞かれます。

確かに、水泳の授業について

  • 泳げないからつらい
  • 日焼けが嫌だ
  • 着替えが面倒

といった理由で、苦手に感じている児童・生徒も少なくありません。

この記事の筆者も、水泳が大の苦手で、当時は、「水泳の授業は廃止にしてほしい」と何度も思ったものです。

しかし、今となっては、水泳の授業が実施されていて良かったとも思っています。

近年は、水泳の授業を廃止するような動きも一部で見られるようになっていますが、水泳には体育の授業として大きな意味があります

安全教育の面でも、健康面でも、水泳にはさまざまなメリットがあるのです。

この記事では、水泳の授業のメリットなどについて、水泳なんていらないと思っている人に向けて、解説してまいります。

この記事を見てわかる

  • 学校の水泳授業は本当に必要なのか
  • 水泳授業のメリット
  • 水泳授業が減っている理由 など

「学校の水泳の授業はいらない」という声が増えている理由

学校のプール

近年、「学校の水泳の授業はいらないのでは?」という声が、以前よりも多く聞かれるようになってきたように思えます。

実際に、学校のプールを廃止する自治体もあり、水泳授業のあり方について議論される機会も増えています。

では、なぜこのような意見が出てきているのでしょうか。

主な理由としては、下記の通りとなります。

  • 学校プールの維持費が大きな負担になっている
  • 学校の働き方改革の影響を受けている
  • 熱中症のリスクが問題になることもある

詳しく見ていきます。

学校プールの維持費が大きな負担になっている

大きな理由の一つが、学校プールの維持費の問題です。

学校のプールは、設置して終わりではありません。安全に使うためには、日常的な管理が必要です。

例えば、次のような作業が行われています。

  • 水質管理(塩素の調整など)
  • プールの清掃
  • ろ過装置などの設備点検
  • 水の入れ替え
  • プールサイドや設備の修理

これらを適切に行うには、人手と費用がかかります

さらに、学校のプールは建設から数十年が経っているものも多く、設備の老朽化が進んでいるケースも少なくありません。

老朽化したプールを全面的に改修する場合、数千万円から1億円以上の費用がかかることもあるとされています。

そのため、「それだけの費用をかけて学校プールを維持する必要があるのか」という議論が生まれているのです。

学校の働き方改革の影響

学校の働き方改革も関係しています。

水泳の授業では、安全管理がとても重要です。事故を防ぐために、先生たちは常に児童・生徒の様子を確認しなければなりません

さらに、前述しましたプールの管理作業(業務)のほとんどは、学校の先生が担っています

こうした業務は、先生たちの負担を増やす原因の一つとされています。

近年は、教員の長時間労働が問題になっていることもあり、学校全体で業務を見直す動きが進んでいます。

その流れの中で、水泳授業の運営方法についても見直しが進んでいるのです。

熱中症のリスクが問題になることもある

近年の暑さは異常です。

そのため、熱中症のリスクを考慮して、水泳の授業が十分に実施できていないという学校も存在します。

水泳は水の中で行う運動ですが、授業中はずっと泳いでいるわけではありません。

準備体操をしたり、説明を聞いたり、プールサイドで待機する時間もあります。

真夏の日差しの中では、プールサイドの温度が高くなり、体温が上がりやすくなります

また、水泳は体力を使う運動でもあるため、知らないうちに水分が失われることがあります

その状態で強い日差しを浴びると、熱中症のリスクが高まる可能性があります。

気象関連で言うと、水泳は、天候に左右されやすい授業です。

日本の水泳授業は、多くの場合、6月から7月ごろに行われます。しかし、この時期は天候が不安定です。

梅雨の時期と重なるため、雨で授業が中止になることも珍しくありません。

暑さを含めた天気の影響で、予定していた内容を十分に行えないことも、水泳授業のあり方見直す理由になっています。

実際に水泳授業を廃止する学校もある

屋外プール

プールの老朽化をはじめとした理由で、実際に、水泳の授業を廃止する学校もあります

修理や改修には大きな費用がかかるため、思い切ってプールを廃止する学校も出てきているというのが現状です。

水泳授業の廃止は残念ですが、一方で、工夫して水泳の授業を実施している学校もあります。

一方で、学校の外にあるプール施設を利用して授業をするという事例も増えています。

例えば、市民プールやスポーツクラブのプールを借りて、水泳の授業を行うケースがあります。

こうした施設を利用することで、学校が自前のプールを維持する必要がなくなります。

この方法には、下記の通り、いくつかのメリットがあります。

  • 設備が新しく、安全管理がしやすい
  • プール設備の管理に、教員が関わる必要がなくなる
  • 温水プールが使えるため天候の影響を受けにくい
  • 民間の専門インストラクターが指導に関わることもできる

一方で、課題もあります。

学校から施設まで移動する必要があるため、移動時間が授業時間を圧迫する可能性があります。

また、交通費や施設利用料が発生する場合もあります。

そのため、残念ながら、すべての学校で簡単に導入できるわけではありません。

学校のプールを使わない新しい形の水泳授業は、今後も広がっていくことが見込まれます。

それでも水泳授業には大きなメリットがある

泳ぐ子ども

「水泳の授業はいらない」という声がある一方で、水泳には他のスポーツにはない大きなメリットがあります

体育の授業の中でも、水泳は健康づくりだけでなく、安全教育という面でも重要な意味を持っています。

ここでは、水泳授業の主なメリットを、次の通り、紹介します。

  • 命を守るための大切なスキルになる
  • 体力・持久力・筋力が向上する
  • 達成感を得やすいスポーツである

詳しく見ていきます。

命を守るための大切なスキルになる

水泳授業の大きな目的の一つは、水の事故から自分の命を守る力を身につけることです。

日本は海に囲まれており、川や湖などの水辺も多い国です。

夏になると、海水浴や川遊び、プールなど、水に触れる機会が増えます。

しかし、その一方で水の事故も毎年発生しています。

もし誤って水に落ちてしまった場合でも、泳ぎ方や浮き方を知っているだけで落ち着いて行動できる可能性が高くなります

例えば、

  • 水に浮いて体力を温存する
  • 慌てずに助けを待つ
  • 岸までゆっくり移動する

といった行動が取れるようになることがあります。

このように、水泳授業は、いざというときに自分の命を守るための知識や技術を学ぶ機会でもあります。

学校で水泳を学ぶことには、こうした安全教育としての大きな意味があるのです。

水泳授業のきっかけ

日本で学校の水泳授業が重視されるようになった背景には、1955年に起きた紫雲丸事故があります。

これは、瀬戸内海で小学生など多くの乗客を乗せた連絡船が貨物船と衝突し、沈没した海難事故です。

多くの子どもが海に投げ出され、泳げなかったことも被害拡大の一因といわれました。

この事故をきっかけに、「子どもたちに泳ぐ力を身につけさせる必要がある」と考えられるようになり、学校で水泳教育が行われるようになったといわれています。

体力・持久力・筋力が向上する

水泳は、体力づくりに効果的な運動としても知られています。

水の中で体を動かすと、水の抵抗を受けるため、陸上での運動よりも多くの筋肉を使うことになります。

そのため、泳ぐことで自然と全身の筋力を使うことになり、体全体をバランスよく鍛えることができます

また、水泳は有酸素運動でもあるため、続けて泳ぐことで心臓や肺の働きが活発になり、持久力の向上にもつながります。

心肺機能が高まると、疲れにくい体づくりにも役立つといわれています。

このように水泳は、筋力・体力・持久力を総合的に高めることができる運動であり、成長期の中高生にとっても体づくりに役立つといえるでしょう。

達成感を得やすいスポーツ

水泳は、練習を重ねることで上達を実感しやすいです。

最初は水に顔をつけることが苦手だった人でも、少しずつ練習を続けることでできることが増えていきます。

例えば、

  • 水に浮けるようになる
  • バタ足で前に進めるようになる
  • 25m・50m泳げるようになる

といったように、段階的に成長を感じることができます。

こうした小さな成功体験を積み重ねることで、「練習すればできるようになる」という自信につながることもあります。

体育の授業として水泳に取り組むことは、体力づくりだけでなく、挑戦することの大切さや達成感を学ぶ機会にもなるのです。

筆者も、水泳の授業は苦戦を強いられましたが、25m泳げたときは大きな達成感を覚えました(恥ずかしながら、今も、25m以上は泳げないですが・・・)。

水泳が苦手な人はどうすればいい?

プール

水泳の授業が苦手な人も多いでしょう。

しかし、少し考え方を変えるだけで、気持ちが楽になることもあります。

まず覚えておきたいのは、最初から泳げる人の方が少ないということです。

※泳げる人は、多くの場合、スイミングスクールに通っています。

泳ぎは、練習することで少しずつ身につくものです。水に慣れることから始めれば、誰でも、ある程度は、泳げるようになります。

筆者も、学生時代、泳げない人が通わねばならない夏休みの水泳教室で、ようやく、何とか、25mを泳げるようになりました。

水に慣れて、練習を繰り返すことによって、ある程度は、泳げるようになります。

水泳の授業では、速さはあまり求められませんので、泳ぎが苦手という方も安心してください。

まとめ:水泳授業は「いらない」と言い切れない理由

泳ぐ子ども

近年は、プールの維持管理などの課題から、水泳授業を見直す学校が増えているのも事実です。

今後は、

  • 民間プールの活用
  • 短期間の集中授業
  • 安全教育を重視した授業

など、新しい形の水泳教育が広がっていくことも見込まれます。

しかし、水泳には体力づくりだけでなく、水の事故から自分の命を守る力を身につけるという大切な役割があります。

水泳の授業は単なるスポーツではなく、安全教育の一つとして重要な役割を持っているといえるでしょう。

苦手に感じる人もいるかもしれませんが、水泳は一生役に立つスキルになる可能性があります。

学校の授業をきっかけに、水との付き合い方を学んでおくことは、将来の自分を守ることにもつながります。

水泳が苦手だという児童や生徒も、ぜひ、前向きに水泳に取り組んでいただけたらと思います。

    • この記事を書いた人
    ラジーンくん

    一般社団法人ラジーン

    「ラジオ体操を通じて人を繋ぎ、幸せの原点を手に入れる」ことをミッションに活動中。ボランティアで、様々な場所でラジオ体操を行っています。 また、ラジオ体操の他にも、健康づくり・フィットネス関連の事業を行っています。当記事は、現場で、実際に、ラジオ体操・健康づくり・フィットネスに関する指導をしている者が執筆しています(詳細はラジーンHPのメンバー紹介ページへどうぞ!)。 お気軽に、お問い合わせください。 →お問い合わせはこちらから

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