スポーツというと、「自分で競技をすること」をイメージする人が多いかもしれません。
しかし、現在ではスポーツへの関わり方は非常に多様化しており、競技をする人だけでなく、観戦する人や大会を支える人、スポーツについて学ぶ人など、それぞれの立場でスポーツを楽しめる時代になっています。
国などのスポーツ政策では、「する」「みる」「支える」という3つの関わり方に加え、近年では「知る」という視点も重視されるようになりました。
さらに、スポーツを通じて人が「集う」「つながる」といった側面にも注目が集まっており、スポーツは健康づくりだけでなく、地域や人との交流を生み出す重要な役割も担っています。
そこで、この記事では、「する・みる・支える・知る」のそれぞれの意味や具体例をわかりやすく解説するとともに、「集う」「つながる」という考え方についても紹介します。
スポーツとの関わり方を広げたい方は、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
スポーツの「する・みる・支える・知る」とは

近年のスポーツ政策では、「する」「みる」「支える」「知る」という4つの楽しみ方が広く紹介され、多くの人がそれぞれの立場でスポーツに関わることのできる社会を目指しています。
年齢や性別、運動経験の有無にかかわらず、誰もが自分に合った形でスポーツを楽しめる環境づくりを進めているともいえるでしょう。

また、スポーツを通じた健康増進や生きがいづくり、地域コミュニティの活性化など、社会全体にも様々な好影響が期待されます。
そこで、ここでは、「する」「みる」「支える」「知る」の具体例を述べていきます。
ご自身にあった関わり方を模索してみてください。
「する」の具体例

「する」とは、自分自身が身体を動かしてスポーツを実践することです。
競技スポーツだけではなく、健康づくりやレクリエーションも含め、幅広い運動が対象になります。
具体例としては、
- ウォーキング
- ジョギング
- ラジオ体操
- 水泳
- テニス
- サッカー
- 野球
- バドミントン
- ヨガ
- ピラティス
- フィットネスクラブでの運動
などを挙げられます。
近年は、勝つことを目指す競技スポーツに加えて、「楽しむこと」「健康維持」「ストレス解消」「仲間との交流」などを目的としたスポーツも重視されているといえます。
そのため、散歩や軽いストレッチなども、継続的に身体を動かす活動としてスポーツの一つと考えられる場面が増えているといえます。
「みる」の具体例

「みる」とは、スポーツを観戦し、その魅力や感動を味わうことです。
ところで、「みる」が漢字ではなく、ひらがなで表記されることが多いのは、「見る」や「観る」といった意味を一つに限定しないためです。
スタジアムで試合を観戦して迫力を楽しむことはもちろん、テレビやインターネットで気軽に視聴したり、家族や友人と応援を楽しんだりすることなど、さまざまな関わり方を含めて「みる」と表現しています。
ひらがなにすることで、競技を深く鑑賞する人も、気軽に応援する人も含めた、幅広いスポーツとの関わり方を表しているのです。
例えば、
- スタジアムで応援する
- テレビで観戦する
- インターネット配信で視聴する
- パブリックビューイングで応援する
- 子ども・孫の試合を観戦する
なども「みる」に含まれます。
また、競技の戦術を楽しんだり、選手の努力や成長に共感したりすることも「みる」スポーツの魅力です。
近年ではライブ配信や動画配信サービスの普及により、世界中のスポーツを気軽に楽しめるようになりました。
実際に競技を行わなくても、スポーツを楽しみ、応援することは立派なスポーツへの参加といえます。
「支える」の具体例

「支える」とは、スポーツが安全かつ円滑に行われるよう、様々な立場から関わることです。
競技者だけでは大会は成立しません。多くの人々の支えがあるからこそ、スポーツ文化は発展しています。
具体例としては、
- 大会ボランティア
- 審判
- コーチ・指導者
- チームスタッフ
- トレーナー
- 救護スタッフ
- クラブ運営
- 地域スポーツクラブの役員
- 保護者による送迎や大会運営
- スポンサー企業
などがあります。
近年は、スポーツボランティアの重要性も高まっており、国際大会だけでなく地域のマラソン大会や市民スポーツイベントでも、多くの人が支え手として活躍しています。
「支える」ことは、自分が競技をしなくてもスポーツに参加できる大切な方法なのです。
「知る」の具体例

「知る」とは、スポーツについて学び、理解を深めることです。
「する」「みる」「支える」は以前から広く知られていましたが、「知る」は、比較的最近になって重視されるようになった考え方です。
国なども、スポーツの価値をより多くの人に理解してもらうため、「知る」という視点を積極的に発信しています。
具体例としては、
- スポーツのルールを学ぶ
- 競技の歴史を調べる
- トレーニング理論を学ぶ
- 栄養学を学ぶ
- スポーツ医学を知る
- オリンピックやパラリンピックの歴史を学ぶ
- 指導法を勉強する
- スポーツに関する本や記事を読む
などがあります。
また、SNSや動画サイト、オンライン講座などを通じて知識を深める機会も増えています。
知識が増えることで、実際にスポーツをする際のけが予防につながるだけでなく、観戦もより深く楽しめるようになります。
「知る」は、「する」「みる」「支える」のすべてを豊かにする土台となる関わり方なのです。
「集う」や「つながる」も!?

近年では、「する・みる・支える・知る」だけでなく、「集う」「つながる」というスポーツの価値にも注目が集まっています。
その理由は、2025年6月に改正されたスポーツ基本法でしょう。
前文に、「集う」「つながる」ということも触れられるようになりました。
以下、スポーツ基本法の前文より、引用します。
人種、性別、年齢、障害の有無等にかかわらず、各々の関心、適性等に応じて、安全かつ公正な環境の下で日常的にスポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、又はスポーツを支える活動に参画することのできる機会、スポーツに関し集う機会、スポーツを通じてつながる機会等が確保されることにより、多様な国民一人一人が生きがいを持ち幸福を享受できるようにするとともに、豊かさを実感できる社会の実現が図られなければならない。
つまり、スポーツは競技そのものだけでなく、人と人を結び付けるコミュニケーションの場としても大きな価値を持っているのです。
例えば、
- 地域のスポーツクラブに参加して仲間ができる
- ラジオ体操を通じて地域住民が交流する
- マラソン大会で参加者同士が交流する
- スポーツ観戦をきっかけに友人が増える
- 家族でスポーツイベントに参加する
といった場面では、人が「集い」、新たな「つながり」が生まれているといえるのではないでしょうか。
スポーツを通じたコミュニティづくりや地域活性化は、近年、ますます重要になっています。
まとめ:スポーツには多様な楽しみ方・関わり方がある

この記事で述べたいことを一言であらわしますと、スポーツには多様な楽しみ方・関わり方があるということです。
体を動かす人、観戦を楽しむ人、イベントを支える人、知識を深める人、それぞれがスポーツ文化を支える大切な存在です。
さらに、人との交流や地域コミュニティの形成など、スポーツには社会的な価値もあります。
年齢や運動経験に関係なく、自分に合った方法でスポーツに関わることができるため、「運動は苦手だからスポーツとは無縁」と考える必要はありません。
例えば、休日にスポーツ中継を観戦したり、地域のスポーツイベントでボランティアをしたりすることも、立派なスポーツとの関わり方なのです。
スポーツは、人生をより豊かにし、人と人をつなぐ共通の文化として、多様な楽しみ方が広がっています。
皆さまも、ぜひ、ご自身にあった方法で、スポーツを楽しんでいただけるとうれしいです。
筆者が所属している一般社団法人ラジーンは、ラジオ体操の普及・推進を熱心に行っています。
実際に体を動かす「する」はもちろん、お手本となる指導者の動きを「みる」、地域の世話役や指導者として会を運営する「支える」、正しい動きや健康効果を学ぶ「知る」にもつながります。
さらに、毎朝のラジオ体操会などでは地域住民が自然に「集い」、世代を超えた交流やコミュニケーションが生まれるなど、「つながる」という価値も実感できます。
このようにラジオ体操は、スポーツが持つさまざまな価値を日常生活の中で気軽に体験できる優れたスポーツ活動といえるでしょう。
<関連リンク>
一般社団法人ラジーンHP
de愛ひろばラジオ体操会HP
