ウォーキングは、特別な道具を必要とせず、心身の健康を支える最も手軽な運動のひとつです。
ウォーキングを行うと、心肺機能の向上・ダイエットや骨粗しょう症予防といった身体的な効果と、ストレス解消や精神安定といった精神的な効果を享受することができるため、健康維持・健康増進にはもってこいです。
しかし、一方で、自然環境に左右されやすいという難点もあります。
特に、梅雨や台風の季節、また、冬場の雪や冷たい雨の日などは、外で歩くことが難しいです。
レインウェアを着用してウォーキングするのもいいですが、そこまではしたくないという人も少なくないでしょう。
しかし、雨の日に運動を中断してしまうと、せっかくの習慣が崩れ、再開のハードルが一気に上がってしまいます。
そのため、健康維持・健康増進や体力向上のためには、天候に左右されない運動習慣も身につけておきたいものです。

ウォーキングによって得られる血流促進・代謝向上・気分のリフレッシュ効果が失われると、体調やメンタル面にも影響します。
だからこそ、雨の日にできる「代わりになる室内運動」を知っておくことが大切です。
外に出なくても、自宅や室内スペースで、ウォーキングと同等の運動効果を得ることを実現しましょう。
雨の日に運動を続けること

雨の日は、ウォーキングができず、運動をしないという人もいるでしょう。
しかし、雨の日も運動は継続した方がいいことは、言うまでもありません。なぜでしょうか・・・?
ここで、雨の日に運動をしないことのデメリットを確認します。下記の通りとなります。
- 気分・メンタルに影響する
- 基礎代謝が低下する
- 運動習慣が崩れる
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
気分・メンタルに影響する
運動にはセロトニンやエンドルフィンといった「幸福ホルモン」を分泌させる作用があります。
これが途切れると、気分が沈みやすくなり、ストレス耐性も下がることがわかっています。
特に、梅雨や秋雨の時期は湿度が高く、日照時間が少ないためにうつ状態になりやすい季節。
そんな時こそ、軽い運動を続けることが心身のバランスを保つ鍵になります。
基礎代謝が低下する
ウォーキングのような有酸素運動を継続することで、脂肪燃焼・血流改善・免疫力維持といった効果が得られます。
逆に、運動を止めてしまうと筋肉量が減少し、基礎代謝が低下。体が冷えやすくなり、むくみやすく、体調を崩しやすくなります。
だからこそ「雨の日でも運動を止めない工夫」が必要なのです。
運動習慣が崩れる
ウォーキングを日課にしている人にとって、最大の敵は「中断」です。
たった数日でもサボると、脳は「やらないこと」を新しい習慣として記憶してしまいます。
運動習慣は筋肉の問題だけでなく、「脳の慣れ」によって成り立っています。
雨の日に運動できない日が続くと、せっかくの努力がリセットされてしまうのです。

以上より、可能であれば、雨の日も室内で運動を継続することが大切なのです。では、どんな運動を選べばいいのでしょうか?
ウォーキングの代わりになる運動を選ぶポイント

雨の日におけるウォーキングの代替運動を考える際は、ただ「体を動かす」だけでなく、ウォーキングで得られる要素をどれだけ再現できるかが鍵となります。
といいますのも、ウォーキング愛好家の皆さまに、例えば、無酸素運動の筋トレのように、ウォーキングとは全く異なる運動を提案しても、やる気にはならないでしょう。
そのポイントは、以下の通りです。以下のポイントを意識して選ぶと、ウォーキングと同じような、効果的なトレーニングができます。
- 有酸素運動であること
ウォーキングは典型的な有酸素運動です。脂肪を燃焼し、心肺機能を高める効果があります。したがって、代わりに行う運動も、息が上がる程度の持続的な運動が理想です。 - 全身をバランスよく使えること
脚だけでなく、腕の振りや姿勢の維持など、全身運動である点もウォーキングの特徴です。代替運動も、上半身と下半身を同時に動かせる内容を選ぶとよいでしょう。 - 継続しやすいこと
天候に左右されない室内運動は、続けやすさが命。スペースが狭くてもできる運動や、特別な器具を必要としないものを中心に選ぶと習慣化しやすくなります。 - 安全でケガのリスクが低いこと
床が滑りやすい室内では転倒リスクもあります。無理なジャンプや高負荷の筋トレよりも、安定した姿勢でできるものを優先するのがポイントです。
それでは、ここからは、具体的な運動について、見ていきます。
室内でできるウォーキング代替運動6選

それでは、上述したポイントにそって、雨の日に、ウォーキングの代替として、室内でできる運動を、下記の通り、具体的に紹介していきます。
- 踏み台昇降
- その場足踏み
- ラジオ体操
- スクワット&ランジ
- ダンス系エクササイズ
- ヨガ
それぞれの運動のやり方などについて、詳しく説明していきます。
踏み台昇降

「踏み台昇降運動(ステップ運動)」は、家の中でもっともウォーキングに近い効果を得られる有酸素運動です。
踏み台(10〜20cm程度)を上り下りするだけですが、心拍数が上がり、下半身の筋肉を効果的に使えます。
音楽にあわせてリズムよく行うこともおすすめです。
また、テレビを見ながら行うこともできます(その際、つまづかないように、足元にはお気をつけください)。
脂肪燃焼や脚力アップ、姿勢改善を目指しましょう。

踏み台昇降は、狭いスペースでも可能で、静音マットを敷くなどの工夫をすると、マンションでも行えます。
その場足踏み

その場足踏みは、名前の通り「その場で足を交互に上げる」だけのシンプルな運動です。
実際のウォーキングと同様に、脚を動かしながら腕を振ることで、全身の血流を促進し、脂肪燃焼や代謝アップが期待できます。
こちらも、テレビを見ながら気軽に行っていただいてOKです。
ウォーキングとほぼ同じフォームを再現できるため、身体に「歩くリズム」を維持させるトレーニングとしても有効です。

その場足踏みは、器具も特別な服装も必要なく、思い立ったらすぐに始められる「究極の室内ウォーキング」です。
ラジオ体操

一見軽い運動に見えるラジオ体操ですが、実は全身にある随意筋のほぼ全て、約400の筋肉を刺激できる有酸素運動・動的ストレッチです。
短時間でも血流が促進され、肩こり・腰痛の予防にもなります。
時間は、ラジオ体操第一は3分10秒ほど、ラジオ体操第二は3分3秒ほどとなります。
運動強度は、早歩きと同等レベルですので、思いのほか、しっかりとした運動なのです。
音楽をかけながら、ウォームアップ兼メイン運動として取り入れると、雨の日でも心身がすっきりします。
ちなみに、当記事執筆者は、1級ラジオ体操指導士の資格をもっていて、普段は、地域でラジオ体操会を主催しております。
ぜひ、ラジオ体操は、毎日、継続していただけますと、当記事執筆者としては嬉しい限りです。
スクワット&ランジ
ウォーキングでは、太もも・お尻・ふくらはぎといった下半身の筋肉をバランスよく使います。
スクワットやランジも、この3つの筋群を集中的に鍛えられる運動です。つまり、ウォーキングと似た筋肉を刺激できるため、代替トレーニングとして非常に適しています。
筋トレは無酸素運動に分類されますが、スクワットやランジについては、テンポよく連続して行うことで心拍数が上がり、有酸素的な効果も得られます。
スクワットのやり方

- 足を肩幅に開く
- 背筋を伸ばしたまま、腰を後ろに引く
- 太ももが床と平行になるまで下げて戻す
- 1日15回×3セットでも、代謝が上がり体が温まります。
- 太もも・お尻・体幹の強化、代謝向上、姿勢改善に効果的
ランジのやり方

- 片足を前に大きく出し、膝を90度に曲げる
- 体をまっすぐ保ち、左右交互に行う
- 太もも・お尻・内転筋の引き締め、バランス感覚向上に効果的
スクワットやランジや、やや運動強度は高いですが、ウォーキングより短時間で筋肉を刺激でき、体の引き締め効果も高いのが特徴です。

スクワットやランジを習慣にすれば、晴れの日に外を歩いたときも足が軽く感じられるようになるでしょう。
ダンス系エクササイズ

運動不足を感じやすい雨の日こそ、楽しく動けるダンス系エクササイズもおすすめです。
こちらについては、一人で行うことはなかなか難しいので、動画投稿サイトの動画を見て行うのがよいでしょう。
YouTubeなどで「有酸素 ダンス」「ズンバ」などと検索すると、簡単なダンス系エクササイズの動画が、複数、ヒットします。
音楽に合わせて心拍数を上げることができます。20分程度でも汗をかくほどの負荷があるので、ウォーキングの代わりとして十分な効果を得られます。
脂肪燃焼やストレス発散にも効果ありです。
ヨガ

ウォーキングの「姿勢改善」「呼吸の安定」「ストレス軽減」といった効果を、より内面的に引き出してくれるのがヨガです。
ヨガも、特に、初心者の方は、一人で行うのは難しいので、動画配信やオンラインレッスンを活用するのがよいでしょう。
ウォーキングも正しい姿勢を意識することで姿勢改善に役立ちますが、ヨガはそれをさらに深めてくれます。
ヨガでは「骨盤の位置」「肩甲骨の動き」「背骨の軸」を意識するため、歩くときの姿勢の基礎が整います。
結果的に、晴れの日にウォーキングを再開したときも、より美しい姿勢・軽やかな歩き方を実現できるようになります。
関連記事「【痩せない?】ヨガで痩せること・ダイエットはできる?理由も含めて解説します」(内部リンク)
モチベーションを維持する方法と注意点

雨の日の運動は「やる気が出にくい」「気分が乗らない」という心理的ハードルが大きな敵です。
以下のような継続のコツを押さえることで、無理なく習慣化できます。
- 運動時間を決めておく
毎日同じ時間に行うことで、脳が「この時間は体を動かす」と認識しやすくなります。 - お気に入りの音楽を活用する
BPM(テンポ)が120前後の音楽は、ウォーキングやステップ運動と相性抜群です。 - 運動記録をつける
アプリや手帳に「今日の運動時間」「消費カロリー」を記録すると達成感が得られます。 - オンラインコミュニティを活用
同じように雨の日運動を続けている仲間と情報を共有すると、モチベーションが維持できます。
一方で、室内での運動は天候に左右されない反面、環境による事故リスクも存在します。
室内の運動で怪我をすることがないよう、以下の点を守って安全に行いましょう。
まとめ ~ 雨の日も「止まらない」身体をつくる~
ウォーキングは、単に外を歩く行為にとどまりません。
その本質は、「毎日、体を動かすことを通じて、心と体のバランスを保つ」ことにあります。
どんなに健康志向が高くても、続けられなければ意味がありません。
だからこそ、雨の日でも、運動のリズムを止めずに続けることが、長期的な健康維持において非常に大切です。
当記事で紹介しましたが、雨の日は、ぜひ、下記のような工夫をして、運動を継続するようにしましょう。
- 踏み台昇降、その場足踏み、ラジオ体操で有酸素効果を再現
- ヨガやスクワット&ランジで姿勢を整える
- ダンスで楽しく体を動かす
天候に左右されず、「今日も体を動かせた」という小さな達成感を積み重ねることが、健康への最短ルートです。
ウォーキングの代わりとなる室内運動をうまく取り入れ、どんな日でも「止まらない自分」をつくりましょう。
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