1級ラジオ体操指導士の橋口です。
ラジオ体操を行うとき、NHKのテレビやラジオ放送を用いてではなく、実際に、音源を入手して実施したいという方も少なくないと思います。
特に、職場など、テレビやラジオ放送を視聴・聴取できない環境でラジオ体操を行いたいときは、ラジオ体操の音源は必須となります。
では、ラジオ体操の音源は、どこでダウンロードしたり購入したりすることができるのでしょうか。また、無料で入手することはできるのでしょうか。
ラジオ体操マニアである、1級ラジオ体操指導士の橋口がしっかりと解説をしていきます。
ここで述べるのは、三代目(現行の)ラジオ体操第1・ラジオ体操第2の音源についてです。過去に放送されていた、初代・二代目のラジオ体操の音源については述べませんので、ご注意ください。
この記事を書いた人
- ラジオ体操の歴史やラジオ体操の楽曲について造詣が深い1級ラジオ体操指導士。
- 著作隣接権侵害を防ぐため、DAWでラジオ体操音源を自ら制作(ピアノが弾けないため)。当該音源が、複数のラジオ体操イベントで利用されたことがある。
- 地域住民100人以上を集めて、ラジオ体操会を主催。ラジオ体操を指導している。
それでは、詳しく見ていきましょう。
無料ダウンロードは、原則不可
まず、ラジオ体操の音源について知っていただきたいことを述べます。
それは、ラジオ体操の音源を無料でダウンロードすることは、原則、できないということです。
というのも、現行のラジオ体操第1、ラジオ体操第2の楽曲ともに、著作権があります。
そのため、ラジオ体操の楽曲を、フリー音源のように扱うことはできません。
考えてみてください。ラジオ体操以外の曲においても、例えば、今、人気のJ-POPの曲なども、無料でダウンロードできるサイトは存在しません。それと同じです。
確かに、楽曲の使用申請を行ったり、利用料を支払ったりして、ラジオ体操の楽曲を無料で配信することはできないわけではありません。
しかし、そうするには、手間もコストもかかります(一方で、利益は一切出ません)。
そのため、ラジオ体操の音源を無料で配信しているようなサイトはほとんど存在しないのです。
音源(音楽)はどこで購入できる?
ラジオ体操の音源を無料でダウンロード・入手できないということは、すなわち、音源をダウンロード・入手するには費用がかかってきてしまうということになります。
ラジオ体操の音源は、大きく
- CD・レコード等を購入する
- 音楽配信サイトでダウンロードする
の2つの方法により、入手することができます。
具体的には、下記のような方法で入手できます。
- Amazon・楽天・Yahoo!といった大手通販サイトでCD等を購入する
- CDショップ・レコード会社の通販サイトでCD等を購入する
- タワーレコードオンライン
- コロムビアミュージックショップ
- KING e-SHOP
- 音楽配信サービスでダウンロード
- レコチョク
- Amazon Music Unlimited
- Spotify Premium
- Apple Music
- NHK財団ダウンロードストア
ラジオ体操の音源を入手できるCDショップや音楽配信サービスは上記以外にもありますが、ここでは、代表的なもののみを紹介します。
Amazon・楽天・Yahooといった大手通販サイト
まずは、CDを購入するという方法から紹介いたします。
Amazonや楽天市場、Yahooショッピングといった大手通販サイトで「ラジオ体操 CD」と検索すると、ラジオ体操のCDがヒットします。
※上のボタンを押すと、各サイトにおいて、実際に「ラジオ体操 CD」と検索したときの画面に遷移します。
そうしたCDを購入すると、ラジオ体操の音源を入手することができます。
CDは多くの種類があり、どれを購入すればよいかわからないという方もいらっしゃるでしょう。しかし、率直に申しますと、基本的にどのCDを購入してもOKです。
気になる方は、当記事の下の方で「ラジオ体操の音源を購入するときの注意点」を述べておりますので、ご確認ください。
CDではなくテープやレコードを購入することによって、ラジオ体操の音源を入手することもできます。
CDショップ・レコード会社の通販サイト
大手通販サイト以外では、CDショップやレコード会社のオンラインショップでも、CDを購入して、ラジオ体操の音源を入手できます。
ここでは、大手CDショップの「タワーレコード」、及び、レコード会社の「日本コロムビア」「キングレコード」のサイトを紹介します。
ラジオ体操のCDを作成しているのは、現在、「日本コロムビア」と「キングレコード」です。
実際にCDを作成しているところから購入したいという方は、両社のオンラインショップをご活用ください。最新バージョンのCDも、購入できます。
タワーレコードオンライン
日本最大級のCDショップチェーン「タワーレコード」の公式通販サイト(オンラインショップ)で、ラジオ体操のCDを購入することができます。
タワレコは有名で、知らないという人はほとんどいないでしょう。
無名なオンラインショップでラジオ体操のCDを購入するくらいならば、タワレコのオンラインショップを利用した方がよいでしょう。
セブン-イレブン受け取りサービスを利用すると、送料が無料になるので、おすすめです。
コロムビアミュージックショップ(日本コロムビア)
「コロムビアミュージックショップ」は、日本コロムビアの公式通販サイトです。
日本コロムビアは、実際に、ラジオ体操のCDの制作・発売を行っています。日本コロムビアが発売しているCDを公式ルートから購入したいという方は、「コロムビアミュージックショップ」から購入してください。
大手通販サイトでは、日本コロムビア等のレーベルのついたCDを売っているということになります。
大手通販サイトでは最新バージョンのCDが売られていないことがあります。最新バージョンのCDが欲しいときは、こうしたサイトを利用するのがよいでしょう。
KING e-SHOP(キングレコード)
「KING e-SHOP」は、キングレコードの公式通販サイトです。
キングレコードも、有名なレコード会社で、実際に、CDの制作・販売をしております。キングレコードが発売しているCDを公式ルートから購入したいという方は、「KING e-SHOP」から購入してください。
ちなみに、上の写真の2つのCDは、ともに、キングレコードが発売していて、一代前の二代目ラジオ体操が収録されています。
ラジオ体操の歴史を研究するために、私も、キングレコードのCDを購入したことがあります。
もちろん、現行のラジオ体操のCDも売っていますので、ご安心ください。
なお、大手通販サイトでは、キングレコード等のレーベルのついたCDを売っているということになります。
大手通販サイトでは最新バージョンのCDが売られていないことがあります。最新バージョンのCDが欲しいときは、こうしたサイトを利用するのがよいでしょう。
音楽配信サービスでダウンロート
CD・レコード購入ではなく、ラジオ体操の音源をダウンロードして入手したいという方は、音楽配信サービスをご利用ください。
音楽配信サービスは、多くありますが、ここでは、代表的なサービスを紹介いたします。
- レコチョク
- Amazon Music Unlimited
- Spotify Premium
- Apple Music
- NHK財団ダウンロードストア
ここで述べている音楽配信サービスは、いずれも、ラジオ体操の音源が収録されています。
レコチョク
最初におすすめをしたいのは、「レコチョク」です。
レコチョクの大きな特徴は、サブスク(定額制)の音楽配信サービスではないということです。つまり、月額の会費が不要なのです。
ラジオ体操の音源を1曲から購入・ダウンロードできます(購入した曲は、何度もダウンロードが可能です)。値段は、1曲あたり、262円です。
しかも、ラジオ体操音源の種類も豊富です。
音楽が好きな方は、これから紹介する、サブスクの音楽配信サービスを契約することをおすすめしますが、ラジオ体操以外の音楽を一切聞かない方は、レコチョクで購入されることをおすすめします。
月額の会費が不要なのが「レコチョク」!おすすめです。
Amazon Music Unlimited
「Amazon Music Unlimited」は、サブスク(定額制)の音楽配信サービスです。
Amazon Music Unlimitedの特徴は、何といっても、聞くことのできる曲の数です。何と、1億曲以上の曲が聞き放題となります。
ラジオ体操の音源もあります。ダウンロードをして、オフライン再生をすることも可能です。
プライム会員がで利用できる「Amazon Music Prime」は、原則、ダウンロードができません。ラジオ体操の音源をダウンロードしたい場合は、「Amazon Music Unlimited」に登録する必要があります。
会費は「非プライム会員:月額1,080円 プライム会員:月額980円/年額9,800円」などとなっています。音楽を聞くのが好きな方は、ぜひ、ご利用ください。
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Spotify Premium
「Spotify Premium」もサブスク(定額制)の音楽配信サービスです。
Spotify Premiumも、ラジオ体操の音源を聞くことができて、実際に、ダウンロードをすることができます。
会費は、「月額980円」などとなっています。
「Spotify Freeプラン」は、曲のダウンロードができません。ラジオ体操の音源をダウンロードしたい場合は、「Spotify Premium」に登録する必要があります。
Apple Music
「Apple Music」もサブスク(定額制)の音楽配信サービスです。
Apple Musicも、1億曲以上の曲を聞くことができます。
Spotify Premiumも、ラジオ体操の音源を聞くことができて、実際に、ダウンロードをすることができます。
会費は、「月額1,080円」などとなっています。
私の知り合いで、Apple Musicのラジオ体操音源を使って、地域でラジオ体操をしている人が、実際にいます。
NHK財団ダウンロードストア
ラジオ体操といえばNHKと思われる方も多いでしょう。というのも、ラジオ体操はNHKが放送をしているからです。
個人的には、ラジオ体操といえば「かんぽ生命保険」(旧簡易保険局)ということを、知っていただきたいと思っているのですが…。
かつては、NHKもラジオ体操のCDを作成して販売していましたが、現在は、「オーディオブック」としてラジオ体操音源のデータのみ購入可能となっています。
NHK財団ダウンロードストアより購入することができます。価格は220円(1曲)です。
以上、ラジオ体操の音源(CD・データ)を購入できるサイトなどを紹介しました。紹介したサイト以外でも取り扱われている場合がありますので、予めご了承ください。
YouTubeやラジオ放送も活用を
ラジオ体操の音源を、直接、入手する手段は上記の通りですが、ラジオ体操の音源を聞く手段は他にもあります。
その手段とは、「YouTube」と「ラジオ放送」です。
詳しく見ていきましょう。
YouTube
最近は、YouTubeでラジオ体操を行う人は少なくありません。公式にラジオ体操について発信しているチャンネルは以下の通りです。
YouTube動画でラジオ体操をされる場合は、上記の4つのチャンネルの動画を再生されることをおすすめします。
なお、YouTubeですので、音声のダウンロードはできません。
ラジオ放送
また、NHKのラジオ放送もご活用ください。私もラジオ体操を行うときは、原則、NHKのラジオ放送を活用しております。
放送時間は、下記の通りです。
放送局 | 放送日 | 放送時間 |
---|---|---|
NHKラジオ第一(R1) | 毎日 | 6時30分~6時40分 |
NHKラジオ第二(R2) | 月曜日~土曜日 | 8時40分~8時50分(6時半からの放送の再放送) |
NHKラジオ第二(R2) | 月曜日~土曜日 | 12時00分~12時10分 |
NHKラジオ第二(R2) | 月曜日~土曜日 | 15時00分~15時10分(12時からの放送の再放送) |
ラジオ体操の放送は、NHKのネットラジオ「らじる★らじる」の聞き逃しサービスでも配信されています。
ラジオ体操の愛好家といわれる人の多くは、6時半の放送を活用してラジオ体操を行っています。ぜひ、皆さまも、ラジオ放送を活用して、ラジオ体操を実施いただけますと幸いです。
ラジオ体操の聞き逃し配信はこちらからどうぞ。
ラジオ体操の音源を購入するときの注意点
ここからは、ラジオ体操の音源を購入・ダウンロードするときの注意点をお伝えしましょう。
注意をしたいのは、楽曲の時間です。ラジオ体操のピアノ伴奏のテンポが速すぎると、気持ちよく体を動かせません。
例えば、
- 1960年以前の音源はテンポが速い
- ラジオ体操に詳しくない演奏者の音源もテンポが速い
という傾向があります。
ラジオ体操の音源を購入・ダウンロードするときに、失敗しないように、ラジオ体操のテンポについてお伝えしましょう。
楽曲の時間を確認しよう
ラジオ体操の音源を購入・ダウンロードするときに、まず、確認をしたいのは、再生時間です。
楽曲の長さは、概ね、以下の通りです。
ラジオ体操第1・・・3分10秒
ラジオ体操第2・・・3分3秒
これに加えて、「ラジオ体操第1~」といった掛け声も加わりますので、再生時間は、上記の時間より長くなることが多いです。
そのため、再生時間が上に記載した時間より大幅に速いもの(目安はマイナス5~10秒以上)は要注意です。
実際に、テンポの速い音源も売られていますので、確認をしておきましょう。
【要注意】1960年以前の音源は速い
まず、注意が必要なのは、1960年以前の音源です。
例えば、「ラヂオ体操の全」というCDに入っている現行のラジオ体操第1とラジオ体操第2は、ともに、放送が始まって間もない1950年代に収録されたものです。
「ラヂオ体操の全て」に収録されているラジオ体操第1は2分57秒、ラジオ体操第2は2分48秒となっています。
これでは、テンポが速すぎるので、気持ちよく体操を行うことができません。
マニアである私のように、史料としてこのCDを購入するのならOKですが、ラジオ体操をやるためにこのCDを購入するのはおすすめできません。
今や、少数派だと思いますが、レコードでラジオ体操を行いたいという人もいるでしょう。そうした方は、1960年より後に販売されたものを購入することをおすすめします。
【要注意】ラジオ体操に詳しくない演奏者の音源も速い
もう1つ、注意が必要なのは、ラジオ体操に詳しくない人がピアノ伴奏(演奏)を担当している音源です。
当記事で紹介した音源のほどんどは、NHKテレビ体操・ラジオ体操のピアノ伴奏者(元ピアノ伴奏者)がピアノを伴奏しているものがほとんどです。
ピアノ伴奏者が以下の方々であれば、ラジオ体操のテンポについては心配する必要はありません(いずれも、NHKのピアノ伴奏者もしくは元ピアノ伴奏者です)。
また、音楽配信サービスで、弘道お兄さんさんが号令のラジオ体操音源もありました。ピアノは、内田清孝氏が担当していますが、テンポ等は全くもって問題ありませんでした。
弘道お兄さんさんのラジオ体操音源も、ぜひ、ご活用ください。
ラジオ体操のピアノ演奏は、独特で、実施者を第一に考えて行う必要があります。
それ故、たとえ、一流のピアニストでも、ラジオ体操についてしっかりと理解をしていないと、うまく弾けません。
ラジオ体操の音源を購入・ダウンロードするときは、念のため、ご注意ください(概ね、問題ないとは思いますが…)。
関連記事「ラジオ体操・みんなの体操の楽譜はどこで手に入れることができる?」(内部リンク)
最後に
いかがでしたでしょうか。
現行のラジオ体操第1・ラジオ体操第2の音源は、無料でダウンロードすることは、原則できませんが、CD購入や音楽配信サービスの利用により、入手することが可能です。
ぜひ、ラジオ体操の音源を入手して、毎日、ラジオ体操を実践していただけますと幸いです。
最後に、ラジオ体操の楽曲も著作権がありますので、楽曲の使用方法によっては、楽曲の使用申請をする必要があります。
ラジオ体操第1は株式会社かんぽ生命保険、ラジオ体操第2は放送に関する権利以外はJASRACに使用申請をお願いいたします。