「日本万国博覧会記念基金事業」として、2025年2月1日(土)~2月9日(日)に、ブラジルとペルーで、ラジオ体操・スポーツを通じた国際交流を実施いたしました。
弊団体代表の上羽(ラジねえ。)、TEAMSWYK代表の廣瀬氏、弊団体を支援していただいている森本氏の3名で、実際に、ブラジル及びペルーに渡航をして、主に、日系社会にて交流をいたしました。
現地の日系社会では、意外にも、日本とのつながりが少ないとされています。今回の事業を通じて、日本人と日系人という同じルーツを持つ者同士がつながる機会となり、意義深い国際交流になったと考えております。
当プロジェクトに関わっていただきました皆さまに、御礼申し上げます。
プロジェクトの概要

当プロジェクトは、1970年の大阪万博会のテーマ「人類の進歩と調和」に込められた未来社会に向かって調和のある進歩を目指して、「日本万国博覧会記念基金事業」として実施いたしました。
また、2025年4月21日(月)には、大阪・関西万博の会場内 EXPOアリーナ 「Matsuri」で、主催イベントを開催いたしますため、大阪・関西万博にもつながる形で実施をいたしました。

当初は、ブラジルのみでの事業を予定しておりましたが、ペルーで日系人によるスポーツ大会が行われることから、ペルーでの活動も行いました。
現地では、様々な事業を行ってまいりましたが、ここでは、以下の取り組みについて報告いたします。
- 2月2日(日)インダイアツーバでのラジオ体操&野球イベント(協力:ACENBI、ブラジルラジオ体操連盟)と日本で開催したブラジルフェス「TSUNAGU」(協力:e-Spark)
- 2月4日(火)リベルダージラジオ体操会とブラジルラジオ体操連盟への指導(協力:ブラジルラジオ体操連盟)
- 2月6日(木)ペルー味の素訪問(協力:ペルー味の素)
- 2月7日(金)日経国際スポーツ親善大会参加&ラジオ体操(協力:AELU)
この他にも、ヤンマーサウスアメリカとの交流や現地欧米人とのラジオ体操などなど、様々な取り組みを行ったという報告を受けています。
それでは、詳しく見てまいります。
2月2日(日)

まずは、2月2日(日)の活動からです。
現地(ブラジル)ではもちろん、それに加えて、日本に住んでいる人も国際交流をしてほしいという思いから日本国内でも国際交流イベントを開催いたしました。
まずは、ブラジルでの活動から紹介いたします。
インダイアツーバでのラジオ体操&野球イベント

2月2日(日)は、ブラジルのインダイアツーバで、ラジオ体操&スポーツを通じた国際交流を行いました。
当日は、インダイアツーバで日本のスポーツや文化を普及しているACENBI (Associação Cultural Esportiva Nippo Brasileira de Indaiatuba)にご協力いただきました。
また、ブラジルラジオ体操連盟の皆さまには、ラジオ体操部分でご協力いただきました。
直前まで雨が降っていた影響で、当日、会場に来ていただいた方は、約60人ほどでした。ただ、イベント開始時には、何とか雨もやみ、無事にイベントを実施することができました。

午前9時前からイベント開始。まずは、web会議システムを使って、ブラジルと日本をつないで交流を実施しました(日本の様子は後述)。
最初に、ブラジルの子どもたちと日本の子どもたちが交流をできる機会を設けました。ラジオ体操を行う前に、じゃんけん大会を実施しました。
web会議システムを使ってじゃんけん大会を行うことには不安も残りましたが、問題なく実施できました。
ブラジル側の勝者と日本側の勝者が、web会議システムを使って、顔を合わせるなど、非常に盛り上がりました。

そして、じゃんけん大会が終わったら、ラジオ体操。もちろん、この時も、web会議システムを使って、中継をしました。
まずは、「ラジねえ。」(上羽)による、ラジオ体操ワンポイントレッスンを行いました。今回は、ラジオ体操第1の3番目の運動と6番目の運動の解説でした。
現地では、「ラジねえ。」の日本語をポルトガル語に通訳して、皆に、正しいラジオ体操を体験していただきました。
ワンポイントレッスンが終わりましたら、皆で、ラジオ体操第1とラジオ体操第2を行いました。
ブラジルラジオ体操連盟の皆さまには、正しいラジオ体操を実演していただきました。

ラジオ体操の前には、ブラジルラジオ体操連盟前会長の木下先生にご挨拶をしていただきました。
お集まりいただきましたブラジルラジオ体操連盟の皆さま、本当にありがとうございました。

ラジオ体操が終わったら、みんなで、ソフトボールを行いました。
ブラジルでは、野球やソフトボールといったスポーツはあまり盛んではないと思っていましたので、当記事執筆者は、ブラジルでソフトボールが行ったことについて、渡航組から報告をうけて、驚いた次第です。
言語の壁を超えて、みんなでハイタッチしたり声をだしたりして、子供も大人も全員で全力でスポーツを行い、笑顔あふれる時間となりました。
日本(吹田市)で開催したブラジルフェス「TSUNAGU」

一方で、同日の夜、日本では、ブラジルのスポーツや文化を体感して、国際交流を図ろうという無料イベント、「ブラジルフェス【TSUNAGU】」を開催いたしました。
会場は大阪府吹田市の総合型地域スポーツクラブe-Spark、19時から21時半の間で開催いたしました。
前述しました通り、ブラジルとweb会議システムを使ってつなぐということを行いましたので、時差を考慮して、夜の開催となりました(時差12時間)。
2月という非常に寒い時期の夜にもかかわらず、当日は約100名の方にお越しいただきました。

イベントの最初は、準備体操。笑いヨガ(ブラジルver)を行いました。
笑いヨガについては、ブラジルでの実施を調整していたのですが、講師のご都合により難しくなりましたので、ブラジルフェスで行っていただきました。
今回は、ブラジルバージョンで行っていただき、ブラジルフェスのオープニングにふさわしいプログラム(準備体操)となりました。

準備体操が終わりましたら、スポーツ体験を実施。最初のスポーツは、カポエイラ。CCJカポエイラの皆さまにご協力いただきました。ありがとうございました。
カポエイラとは、格闘技とダンス、音楽の要素等を兼ね備えたブラジルのスポーツ・伝統玄翁です。
音楽にあわせて、楽しく体を動かしました。
素人には難しいスポーツかと思っていたのですが、初心者の方も楽しめるようなプログラムを組んでいただきました。
日本ではあまり知られていないブラジルのスポーツでしたが、今回の機会をきっかけに、多くの方にカポエイラを知っていただく機会となりました。

カポエイラの次に行ったスポーツは、フットサル。
ブラジルといえば、サッカー・フットサルというイメージが強いと思います。そのため、今回は、e-Sparkにご協力いただいて、フットサルのゲームを行いました。
老若男女が混ざったチームで対戦を実施。
かなりいい勝負で、なかなか点数が決まらないということもありましたが、大人も子どもも、楽しくフットサルを行うことができました。

なお、当日は、ブラジル料理を提供しているキッチンカーにもお越しいただきました。
vaca atolada (キャッサバと肉の煮込み)とライスにリングィッサ(ブラジルソーセージ)とキャッサバケーキを提供していただきました。
キッチンカーの方は、「ラジねえ。」が訪問したインダイアツーバとも縁があり、当プロジェクトにご協力いただいたTEAM SWYK 廣瀬さんのお知り合いだったとのこと。

そして、午後9時前。前述しました通り、web会議システムを使って、ブラジル・インダイアツーバと国際交流を行いました。
じゃんけん大会、そして、みんなでラジオ体操を行いました。
上の写真は、じゃんけん大会において、日本側の勝者の子どもたちがパソコンの前に集まって、ブラジル側の勝者とお話をしている様子です。
日本の子どもたちにとって、ブラジルの子どもたちと交流をすることは、非常に貴重な機会となったと思います。

じゃんけん大会が終わったら、「ラジねえ。」のラジオ体操ワンポイントレッスンを受講して、そして、通しで、ラジオ体操第1とラジオ体操第2を行いました。
e-Sparkのイベントには、何と、1級ラジオ体操指導士が3名も参加をしておりましたので、1級ラジオ体操指導士が前に出て、体操を実演いたしました。
地球の裏側・ブラジルと日本で、みんなの心と身体がオンラインで繋がった最高の時間となりました。
2月4日(火)

2月4日(火)は、インダイアツーバのイベントにも駆けつけていただいたブラジルラジオ体操連盟の皆さまに、お世話になりました。
早朝は、ブラジルにおけるラジオ体操の発祥の地ともいえる、リベルダージのラジオ体操会に参加。その後は、ブラジルラジオ体操連盟の皆さまとラジオ体操を行いました。
リベルダージラジオ体操会

2月4日(火)の早朝・6時半、リベルダージの広場で開催されているラジオ体操会に参加をいたしました。
日本では、各地で、ラジオ体操会が開催されていますが、ブラジルでも各地でラジオ体操会が開催されているとのことです。その数、何と、47か所。
その一つが、リベルダージです。実は、リベルダージは、ブラジルにおけるラジオ体操の発祥地。
ラジオ体操会の会場には、記念碑が設置されていて、ラジオ体操の説明、ブラジルとラジオ体操の説明について記されていました。「ラタ坊」も印象的でした。

朝6時30分頃から7時まで、ストレッチ・中国の体操・モーニングストレッチング・みんなの体操・ラジオ体操第1・第2を実施されています。
みんなの体操とラジオ体操については、「ラジねえ。」が前に立って、実演をしたとのこと。地域の方など約30名の方が参加をされていました。
ブラジルにおいても日本と同じようなラジオ体操会の文化があることには驚かされました。毎日、熱心に体操会を運営されている皆さま方に感謝です。
体操会が終わった後は、参加者の皆さんと朝食をとり、交流を深めたとのことです。
ブラジルラジオ体操連盟での指導

そして、リベルダージの体操会に参加した後、午前9時30分からは、ブラジルラジオ体操連盟の指導者の皆さまとラジオ体操を行いました。
ブラジルラジオ体操連盟の会員は約1万人、そのうち指導者は約60人です。今回は、指導者の皆さまにお越しいただきました。
ブラジルラジオ体操連盟の前会長・木下先生よりご挨拶をいただいた後、「ラジねえ。」が登壇し、自己紹介とラジオ体操の魅力や効果など説明。

その後は、実技指導。ラジオ体操第1・第2のポイントを解説し、最後は、通しで、ラジオ体操を行いました。なお、ブラジルラジオ体操連盟の山本先生に通訳をしていただきました。ありがとうございました。
質疑応答も受け付けましたが、非常に高度なご質問がいくつも飛び交い、ブラジルラジオ体操連盟の指導者のラジオ体操に対する関心が非常に高いことには驚かされました。

ちなみに、余談ですが、ラジオ体操終了後は、ブラジルでダンスの講師をされているリマさんに、ブラジルダンスの指導もしていただきました。
誠にありがとうございました。
日本だけでなくブラジルにおいても、日本のラジオ体操が、後世へと引き継がれていかれるよう、これからも、当方としても貢献していきたいと思います。
なお、ブラジルラジオ体操連盟とは、今後も、(ブラジルに渡航をしていない)橋口がオンラインにて交流をしていく予定です。
2月6日(木)味の素ペルー訪問

後半は、ペルーでの活動となります。2月6日(木)は、味の素ペルーに伺って、ラジオ体操を行いました。
味の素ペルーでは、毎日、始業前に、準備体操としてラジオ体操を実施されています。

そのラジオ体操に、私たちも混ぜていただき、従業員の皆さまと交流を図りました。
ペルーにおけるインスタントラーメンのシェアは98%が味の素、また同様に醤油のシェアは40%が味の素だとのこと。味の素は、ペルーで最も知られている日系企業といっても過言ではありません。
なお、味の素の工場では、何十年も前から、国内・国外どこの拠点でも、始業前の準備体操でラジオ体操されているとのことです。
2月7日(金)日経国際スポーツ親善大会参加

最後に、2月7日(金)の活動についてです。日経国際スポーツ親善大会(Confraternidad Deportiva Internacional Nikkei, CONFRA)に参加をして開会式にてラジオ体操を実施いたしました。
コンフラは、各国が持ち回りで実施をすることになっていて、今年は、ペルーのリマで実施されました(主催:AELU=ラ・ウニオン運動場協会)。
南米10か国・約2万人の日系人が参加をする、非常に大きなイベントです。

開会式はオリンピックのように、各国の代表が行進をして、入場をしました。巨大なスクリーンやドローンを活用した演出などは、まさに、オリンピックの開会式のようでした。
区長や大使館関係者も参加されていました。日本からは、英利アルフィヤ外務大臣政務官も参加されて、ご挨拶をされていました。
外務省のSNSで、その様子が投稿されていました(当該投稿の動画では、ラジーンの提供動画も多く使われていました)。

開会式のプログラムの1つとして、みんなでラジオ体操を行いました。
ラジオ体操の魅力や文化をMCがアナウンスをした後に、「ラジねえ。」が登場。スペイン語で自己紹介を行った後、開会式の参加者全員でラジオ体操第1を行いました。
開会式に参加をされていたのは、約5,000人。また、YouTubeでも配信がされましたので、開会式を見ていた人は、もっと多かったかもしれません。

ラジオ体操第1を実施しただけですが、会場は大いに盛り上がりました。各国の日系人の日本文化に対する愛には驚かされました。
「ラジねえ。」は、ラジオ体操で世界が繋がった瞬間に感動したとのことです。
最後に

当プロジェクトには、多くの方にご協力いただきました。ご協力いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
実は、このプロジェクトを始めたきっかけは、会食の場でした。
会食の場で、TEAM SWYKの廣瀬氏や裏方としてサポートいただいた山田氏と出会い、ブラジルの日系社会でラジオ体操が行われているという情報を入所。
その後、ブラジルでラジオ体操を通じた国際交流をしたいと考えるようになり、みんなで、プロジェクト推進にむけて、動きました。
数年前までは、こうした形で、ブラジルやペルーでラジオ体操をやることは、夢にも思っていませんでした。皆さまの出会いに、改めて感謝です。ありがとうございました。
最後に、実際にブラジルに渡航した「ラジねえ。」の総括をそのまま掲載いたします。
ブラジルの総括
ラジオ体操を実施している日系人コミュニティはサンパウロ以外にもたくさんあるので、そのコミュニティを回ってラジオ体操ツアーなどすれば普及とコミュニティ&健康づくりに繋げられる可能性が広がると感じた。
日本が好きな日系人が非常に多いので、ラジオ体操は言語関係なく受け入れられる交流ツールとしてとても有効なものであると思う。
物理的な距離は遠いけれど、心理的距離は近く、ブラジルの人は温かくて優しい愛溢れる人が多いと感じた。
ペルーの総括
アメリカ大陸だけでなく、アジアなど他国多数でも日系人コミュニティとの連動でラジオ体操の普及推進及び交流拡大の可能性を感じた。
廣瀬さんがやっている南米の活動に、今後もラジオ体操コンテンツなど取り入れて、スポーツとラジオ体操、身体と心の教育、日系人のコミュニティの場創出及び健康増進、現地の課題解決に繋げていける可能性を感じた交流プロジェクトとなった。
私たちは、今回のプロジェクトを1回きりで終わらせたくはありません。国際交流は、継続をすることが大切です。
今回のプロジェクトの反省点を活かして、今後は、より良質な国際交流を、継続的に実施をしていけたらと思っております。