1級ラジオ体操指導士の橋口です。
ピアノが弾ける方は、ラジオ体操第1、ラジオ体操第2やみんなの体操を、自分で弾きたいと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、私のように、音楽制作ソフト(DAW)でラジオ体操・みんなの体操の音楽を制作したいという方もいらっしゃるでしょう。
ラジオ体操の普及・推進活動をするにあたって、著作隣接権の問題は大きな障壁となります。しかしながら、音源を自分で制作したら、著作隣接権は、当然、自分が有することになります。そのため、私は、DAWで音源制作をしました。
しかしながら、当然ながら、ラジオ体操やみんなの体操の楽譜(譜面)がないと、自分で弾くことができません。
そこで、当記事では、ラジオ体操マニアが、ラジオ体操の楽譜の入手方法について記します。
※当記事では、現行のラジオ体操・みんなの体操について述べます。過去に放送されていたラジオ体操の楽譜は、国会図書館の古い資料で確認できますので、よかったら、探してみてください。
※現行のラジオ体操は三代目!
ラジオ体操・みんなの体操の楽譜の入手方法
それでは、ラジオ体操第1、ラジオ体操第2、みんなの体操の楽譜の入手方法を述べてまいりましょう。
ラジオ体操第1 | ラジオ体操第2 | みんなの体操 | |
かんぽ生命保険ホームページ(無料) | 〇(無料) | × | × |
NHKから取り寄せ | 〇 | 〇 | 〇 |
ヤマハ「ぷりんと楽譜」 | 〇 | 〇 | 〇 |
楽譜集・文献 | 〇 | 〇(文献は×) | 〇 |
以上のような方法で、ラジオ体操・みんなの体操の楽譜を入手することができます。
これから詳しく述べまいりますが、皆さまにあった方法で、楽譜を入手してみてください。
かんぽ生命保険ホームページ【無料】
株式会社かんぽ生命保険のホームページでは、ラジオ体操第1の楽譜のみ、無料でダウンロードすることができます。
ラジオ体操第1の著作権は、株式会社かんぽ生命保険が管理しているためです。
逆に、ラジオ体操第2やみんなの体操の楽譜は、かんぽ生命保険ホームページでは入手することができませんので、ご注意ください。
※ラジオ体操第2やみんなの体操の楽譜も欲しい方は、以下の方法を参考にしてください。
ラジオ体操第1だけを演奏したくて、ラジオ体操第2やみんなの体操は演奏しないという方は、かんぽ生命保険HPよりダウンロードしてください。
「楽曲等の利用について」というページの一番下に、ラジオ体操第1の楽譜が添付されていますので、ご確認ください。
NHKから取り寄せ
ラジオ体操・みんなの体操を放送しているのはNHKです。
したがって、NHKから、楽譜を取り寄せることができます。楽譜取り寄せにおける手数料等はかかりませんが、送料は自己負担となります。
詳しくは、こちら(NHKホームページ内)で解説されていますが、下記の順序で、NHKにお申し込みください。
- 希望する資料名(ラジオ体操第1・ラジオ体操第2・みんなの体操伴奏譜)、枚数、返送先を記した文書を作成。
- 返送用切手を準備。
- 文書と切手を同封して、NHKに送付する。
宛先:〒150-8001 NHKメディア総局 展開センター「ラジオ体操・みんなの体操」係 あて(住所の記載は不要です)
送料は自己負担となります。また、目安として、お届けまで1週間ほど要します。
手間や時間がかかるので、少し面倒なところもありますが、最も費用がかからないのが、NHKからの取り寄せです。私も、この方法で、ラジオ体操・みんなの体操の楽譜を入手しました。
なお、楽譜以外にもラジオ体操・みんなの体操の図解や「ラジオ体操の歌」の歌詞も取り寄せることができます。
ヤマハ「ぷりんと楽譜」
面倒くさくない方法で、楽譜を入手したいという方は、ヤマハの「ぷりんと楽譜」のサービスを使われることをおすすめします。
「ぷりんと楽譜」は、欲しい楽譜を1曲単位でダウンロード購入できるサイトとなります。ダウンロードした楽譜は、印刷可能です。
「ぷりんと楽譜」では、ラジオ体操第1、ラジオ体操第2、みんなの体操の楽譜ともに取り扱われています。
ラジオ体操第1の楽譜は、前述した通り、かんぽ生命保険のホームページから無料でダウンロードできます。一方で、「ぷりんと楽譜」は有料ですのでご注意ください。
有料サービスとはなりますが、ダウンロード購入が可能ですので、「NHKから取り寄せる手続きがめんどくさい」という方は、このサービスをご利用ください。
NHKの場合は1週間かかりますが、「ぷりんと楽譜」の場合は購入したらすぐに楽譜を入手できます。
ダウンロードページ
文献・楽譜集を購入する
ここまでは、主に、楽譜をダウンロードするようなサービスを中心に紹介しましたが、販売されている楽譜集を利用したいという方もいらっしゃるでしょう。
そうした方も、ご安心ください。ラジオ体操・みんなの体操の楽譜集は、実際に、販売されています。大手通販サイトなどで購入できます。
また、かんぽ生命保険ホームページで無料で入手できない、みんなの体操の楽譜については、以下の文献にも掲載されています。
ラジオ体操七十五周年記念誌編集委員会編(2004)『いつでも、どこでも、だれでも ラジオ体操75年の歩み』簡易保険加入者協会
こちらの記念誌は、大手通販サイトでは取り扱われていませんでしたので、お手数ですが図書館などでご覧ください。
私は、ラジオ体操の歴史資料として、こちらの本を図書館で借りて、閲覧したことがあります。
ラジオ体操第2の楽譜が掲載されている文献も探したのですが、見つかりませんでした。ラジオ体操第1の楽譜が掲載されている文献は、いくつかあるのですが(遠山喜一郎氏の論文など…)。
ここまでは、ラジオ体操・みんなの体操の楽譜の入手方法について述べました。
楽譜のおすすめの入手方法は、
- ラジオ体操第1のみの楽譜を利用するようであれば、かんぽ生命保険のホームページから無料ダウンロードをすることがおすすめ
- ラジオ体操第1に加えて、ラジオ体操第2やみんなの体操の楽譜を利用するようであれば、費用負担は送料のみ、NHKから取り寄せることをおすすめします。
- ただし、1週間ほど待つ時間が無いという方、煩わしいことが嫌いという方は、ヤマハの「ぷりんと楽譜」を使うのがよいでしょう。
ぜひ、ラジオ体操・みんなの体操の楽譜を入手して、ラジオ体操・みんなの体操を演奏していただけたらと思います。
以下、関連事項を述べます。
ラジオ体操は楽譜だけではうまく弾けない
ここからは、ラジオ体操・みんなの体操のピアノ伴奏について簡単に述べることにしましょう。
当記事をご覧いただいている方の多くは、ラジオ体操・みんなの体操をこれから演奏したいと考えていると思います。
注意をしたいのは、ラジオ体操・みんなの体操は、一般的なピアノ演奏とは異なり、ピアノに合わせて体操を実施する人がいるということです。
したがって、体操実施者を第一に考えてピアノを弾く必要があるのです。
楽譜を大幅にアレンジする必要はありませんが、特に、テンポについては些細なところまで注意する必要があります。
みんなの体操の楽譜にはBPMが書かれていますが、ラジオ体操の一般的な楽譜にはBPMすら書かれていません。
したがって、ラジオ体操・みんなの体操を演奏するときは、NHKテレビ・ラジオ体操の専属ピアノ伴奏者の伴奏を聞いてから、挑戦するのがよいと思います。
ラジオ放送やテレビ放送、YouTubeやCDなどで、ぜひ、聞いてみてください。
参考記事「ラジオ体操の音源・音楽はどこでダウンロード・購入できる?無料・フリー音源はある?」(内部リンク)
著作隣接権の侵害を防ごう
最後に、ピアノが弾けない私が、なぜ、ラジオ体操・みんなの体操の楽譜や音楽に詳しいのか述べて終わります。
私は、ラジオ体操やみんなの体操の普及・推進の活動を行っております。2024年には、ラジオ体操優良団体等表彰を個人として受賞しました。
しかしながら、ラジオ体操やみんなの体操は、音楽に依存しなければ実施することが難しいですし、普及・推進も難しくなります。
ただし、ラジオ体操やみんなの体操の楽曲についても、当然ながら、著作権や著作隣接権があります。
それぞれ、適切に処理をすれば、楽曲は利用できますが、少し面倒なのが著作隣接権についてです。
著作隣接権は、演奏者の権利とレコード製作者の権利です。
著作隣接権は、オンライン上でラジオ体操・みんなの体操を実施するときやSNS投稿をするときに、問題となってきます。
そこで、著作隣接権侵害を防ぐため、ラジオ体操・みんなの体操の音源を自分で制作しようと考えたのです。
実際に、ラジオ体操・みんなの体操の楽譜をNHKから取り寄せて、DAWで、ラジオ体操・みんなの体操の音源を制作したのです。
楽譜情報を入力することはもちろん、1級ラジオ体操指導士の知見を活かし、テンポや強弱の設定など、些細な箇所も気遣って、音源制作をしました。それ故に、ラジオ体操やみんなの体操の音楽についても少し詳しいのです。
ちなみに、利用ソフトは「Cakewalk by BandLab」です。
ピアノが弾けない方で、著作隣接権侵害を防ぐために音源制作をしたいという方は、DAWを使うことをおすすめします。
ピアノが弾けない方も、楽譜を読めないと、DAWは使うことができませんので、ご注意くださいませ。
最後に
いかがでしたでしょうか。
ラジオ体操・みんなの体操の楽譜の入手方法は、いくつもあります。再掲にはなりますが、以下の方法で入手されることをおすすめします。
楽譜のおすすめの入手方法
- ラジオ体操第1のみの楽譜を利用するようであれば、かんぽ生命保険のホームページから無料ダウンロードをすることがおすすめ
- ラジオ体操第1に加えて、ラジオ体操第2やみんなの体操の楽譜を利用するようであれば、費用負担は送料のみ、NHKから取り寄せることをおすすめします。
- ただし、1週間ほど待つ時間が無いという方、煩わしいことが嫌いという方は、ヤマハの「ぷりんと楽譜」を使うのがよいでしょう。
ラジオ体操・みんなの体操の楽譜を通じて、より、ラジオ体操・みんなの体操に興味を持っていただけますと、この上なく嬉しいです。
ラジオ体操・みんなの体操を実施して、健康になりましょう!!